2台のタクシー、あるいは、プロの仕事。

午後6時40分。私は焦っていた。

7時の待ち合わせまで、20分。突然降り出した雨。私の予定では、駅まで全速力で走ってぎりぎり。雨の中、傘を差して走っては、私の本来の脚力を発揮できない(といっても別に足は速くない)

私は、焦っていた。だから、私は、考えた。「タクシーだ」と。そして、歩みをとめ、全く新しい交通ルートを選んだ。

「代官山までお願いします。とにかく急いでるのです。7時までに会場にいかなくてはならないのです。後20分でお願いします」と私は、要望とその背景を伝えた。

「普通なら、15分でいけるのだが、この雨だからね」と運転手さんは言いつつも、 「20分か。。なんとかやってみよう」と言ってくれた。そして、おそらく最短ルートを確保するため、裏道と若干の交通違反をして、私を会場の前にまで連れていってくれた。その結果、私は、時間にぎりぎり間に合った。タクシーの運転手、すげープロって思った。

その次の週の午後6時30分。私は、全く同じ理由でまた焦っていた。

しかし、今週は若干違う。なぜなら前週よりも、10分も速いし、そもそもタクシーを利用しようと考えていたからだ。(凄い雨が降ってきたのだ)

だが、タクシーという乗り物は、運転手のスキルによって、ここまでサービスが異なるのか・・と私は後に知る。運転手さんが、素人だったのだ。


「代官山って、どういったら良いのでしたっけ?」(俺が知るわけない)

「近い道と、短い時間、どちらでいきますか?」(近い道ってなんだ?)

「えっと、どちらに行けばよいですかね?」(知るか?!)と。。。


そんな運転手さんに、私はいらいらしながら、窓の外の過ぎ行く街並みを、ただただ眺めていた。

「仕事に対するプロ意識って大切だな」と思いながら。。。