円満退社、ありがとうの後に。

同僚の女性が年内で退社する。

4年以上一緒に仕事をしてきた女性。元々、夏には退社予定だったのだが、無理を言って年内一杯働いてもらった。

入社当時は、仕事への自信があまり無く、どこか頼りなげな感じだった彼女は、4年という時間を経て、とてもたくましくなった。部門を横断したプロジェクトも今では立派にこなしている。社内での存在感も大きい。

本来は、年明けから別の職場で働く計画だったが、日々の業務が忙しいため転職活動が出来なかった。まだ、次の転職先は決定していない。「1ヶ月くらい遊ぶことにしました」と嬉しそうに話す彼女。私は数年ぶりの休暇を、ゆっくり過ごして欲しいと思う。

思い返してみれば、徹夜に近いことを強制した事もあったし、仕事では何度も泣かせてしまった。そして、私の知らないところで泣くような事もあったようだ。沢山の文句をいい、沢山の文句をいわれた。沢山の仕事をした。

そんな風なことを思っていると、彼女は「ま~た切ながって。お父さんが娘を嫁に出すんじゃないんだから」と言う。が、娘をお嫁に出すお父さんの気持ちなのだ。これ。経験したことないけれど。

だってほら、「次の会社でも必ず幸せになるんだぞ」なんてつい言いそうになるのだけれど、これって、お父さんが娘の結婚式とかで言いそうな言葉だ。この4年間、家族や恋人よりも近くにいたのだ。そういう事を言いそうになるのはしょうがない。幸せを願いながらも、「上手くいかなかったら戻ってこいよ」なんて、つい口に出してしまいそうになる。

職場という場所には、タスクや喜びや汗や涙とともに、こうした気持ちが詰まってる。そして、その気持ちは、大事な同僚が、円満退社する時の「ありがとう」という言葉の後に、瞬間だけれど、はっきりと存在し、時として、私の胸をとにかく熱くさせる。