現場力、あるいは自分の持ち場を守るという事
先日久しぶりに大きなミスをした。
新入社員歓迎会を兼ねたセレモニーでの事だ。
私はあるイベントの運営に携わっていた。そのイベントは数ヶ月前から準備をしていた規模の大きなイベントだ。何度もミーティンングをし、様々な趣向を凝らし、そして、お金もかけたものだ。私はそのイベントにディレクターとかプロデューサーといったような立場で参加していた。こういう風に書くととても格好良い立場だったんだな、と思う。
当日、スタッフは準備のため、随分前に会場に入っていた。私は、別の仕事が押したため、他のスタッフよりも遅れて会場に入った。今から思えば、これがいけなかったのだが・・・。
当日、元々私は何も仕事がなかったのだ。が、会場が予想以上に広かったので、私は照明と音響をやる事になった。別のスタッフから口頭でやり方を教えてもらい何度も手順を頭に入れ込んだ。何度も何度も頭に入れ込んだ。
そして我々のイベントの順番がきた。数ヶ月に渡った準備が、わずか30分のイベントとなる時だ。プレゼンのツールの準備も完璧だった。選びに選んだ音楽もバッチリだった。リハーサルも完璧だった。
しかし。私の持ち場の音響。音が出なかったのだ。壮大な音楽で始まる予定だったオープニングのシーン。しかしそれが無音だった。あの数十秒で、私達が費やした時間のある部分が消えた。音は何にしようか?と話し合った時間が消えた。部下が音楽の選定に費やした時間と努力が消えた。そして、それはとても大事なものだった。
今ならわかる。どんなに壮大なことを考えても、どんなに刺激的な事をいってイベントを盛り上げようとしても。その現場で自分の持ち場を守れない奴は駄目なんだという事が。仕事という場所では、誰がなんといおうと、その場所を守る事にただ集中しないといけないという事が。
でも、私はあの時、そうした事がわからなかったのだ。つめが甘い。私は、ずっと言われ続けてきたその言葉の意味と自分の甘さをその日、徹底的に味わい尽くした。
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