トキメキ、あるいは、日常に潜む発見について
「トキメキがなくて」と彼女は言った。
ある仕事のミーティングの席での事。本題に入る前のたわいもない時間に、俗に言う「恋バナ」になった。彼女に言わせれば、随分長い間「トキメキ」が無く、彼氏が出来ないらしい。ただ、合コン等に行く等の「具体的な努力」はしているという。
「彼氏をつくるには、どうしたら良いのでしょうか?」と彼女は言う。そもそも、こうした相談を冗談とはいえ、私に持ちかける自体に、ミスマッチを感じてしょうがない。だが、冗談には冗談で返すという私の基本戦略にのっとって、「彼氏を作る結論日を決めよう」と私は提案をした。2ヶ月後、彼氏が出来ていたら、彼女の勝ち。出来ていなかったら私の勝ち、そんな賭け。なんとなく、話の流れで本気でやることになった。
ところで、こうした賭けが私は大好きだ。何も無い場合、彼女のような子は大抵の場合、半年後も同じ事を言ってる可能性が高い。しかし、こうした結論日を設定すると、周囲を見る目線が変わってくるのだ。それは、いやらしい意味ではなく、実は自分の周囲の環境が「想像していたよりも」実は、なかなか素敵なものだと気がつく可能性が高いのである。
例えば、仕事。普段ならば単なる日常になっている仕事上の相手でも、「この人はどんな人なのだろう?」という別な視線でみると、相手が全く違った人に見える事を経験した事はないだろうか?飲み会でたまたま席が隣になって趣味の話で盛り上がり、それから二人は付き合い出した、そんな話が良くあるように。そう、仕事という日常の皮膜を一枚むくと、そこにはただ一人の人がいる。
そういえば、トキメキって、日常の中に何か新しい事や物を発見するときの驚きやワクワクに似ていると。だから、トキメキって、別に難しい事じゃなく、自分で自分の周囲をちょっと素敵にしようとするちょっとした努力の事なんじゃないか?って私なんぞは思うのです。はい。
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