自己啓発書は恥ずかし
久しぶりに会った友人が私の本棚をまじまじと眺め、「お前読書の趣味変わったな」と幾分さみしそうにいった。「そうかな」とその時には思ったのだが、友人が帰った後、めがねをかけて、本棚をよーく見てみた(私は部屋では普段めがねをはずしているので部屋の状況をあまり把握していない)。その次の瞬間には、自分の読書傾向が激変していることに気付き、驚いた。
「売れる営業マンの3つの秘密」「仕事は段取り」「マーケティングセンスを磨く5つの方法」「口説き上手は売り上手」などという書籍のタイトルがところ狭しとならんでいるのだ。
いつ買ったのか、読んだのかすら不明な本達によって占領されている本棚。私の理想の本棚は「失われた時を求めて」や「ジャンクリストフ」が並ぶ本棚なのに、そこにあるのは「できる男の仕事術」、「お客さんに好かれる秘訣」。。。どんな内容なのかも、全く思いだせない本ばかり。
「そういえば、最近小説とかって読んでないな、これはさみしい事態だぞ」と思いながら、ぱらぱらと本棚を占領している本を手にとると、どんな状況で読んだのかが、ふと蘇る。
クライアントに伝えたいことが全く伝えられられなかった時、少しばかりの恥ずかしさを抱えて買った「説明上手になる方法」。これを読んだ次の日はなんでも説明してやろうという気持ちで会社に向かったな、とか。目標の数字をなんとか達成するために買った「売れる営業マンの秘密」。売れる営業はモテルらしい、いや、もてる奴だから売れるのだという議論の帰り道に買った「口説きの説得術」。。。恥ずかしい記憶ばかりだ。しかし、そう思いつつも、これが等身大の自分だなと、変な納得をしていたりする。
ただ、友人のうちでこういった本を発見した時のリアクションは思い付かない。自己啓発書はやはり少し恥ずかしいもののようだ。特に、本の間から「負けるな」なんてメモが出てきたら、それはそれは恥ずかしい。本当に。
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