5月病
4月だ。4月と言えば新入社員。新入社員とくれば5月病。この病、存在は知られているが、そのなおし方は意外と知られていない。また、伝染病にカテゴライズされるものということも知られていない。
よく覚えているのが、私にとって会社に入った時のインパクトはすさまじかった。毎朝定時に起きなくてはならないこと。そして、組織に自分が属しているということ。また、目標や目的のある毎日がこれから続くということ。そんな驚きの連続で、私はきちんと5月病になった。
5月病にかかった同期や友人は何人もいた。なんとなくやる気がなかったり、何をしているのかがよくわからなくなったり、中にはいきなり転職を考えていたりするやつもいた。新入社員達がそんな話しをする風景は、毎年5月に良くある風景なのだと思う。
ところで、私の場合、この病から立ち直ったのは研修中のちょっとした空き時間にした同僚の女の子との会話だった。どんな話しをしたのかはさっぱり覚えていないのだが、「ああそうか、大変なのは俺だけじゃないんだな」とほっとしたことだけは覚えている。それで、5月病は消えた。昼下がりの喫茶店でのことだ。
今だから思うのだが、そのころの私はきっとこれから何をしようとしているのかも、何が出来るのかがさっぱりわからなかったんだと思う。もちろん今だって、そういったことは基本的に変わっていない。でも、沢山の失敗とちょっとした成功で自分というものが見えてきて、病気にならない耐久力がついたのだろう。
そんな話しを、飲みながら同僚とした帰り道。やや千鳥足の彼女が、「桜だ」と言う。ふと上を見上げると夜の空に桜が満開。ふと、新入社員のころに感じた戸惑いとともに、新入社員のころやろうとしていたことを忘れてしまってはいけないな、と思う。社会人4年目の春がやってきた。
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