カフェの閉店、あるいは、物事の終わりと始まりについて。
行きつけのカフェが閉店した。
使わないパソコン(imac)をプレゼントしたり、メニューに口出しをしたりしている間に仲良くなった。スタッフは気のいい奴らばかり。仕事の帰り道にそのカフェによってビールを飲むのが私の日課だった。ほぼ毎晩といっていいほどそこで夕飯を食べていた。だから、キッチンのスタッフは、私の好物と苦手なものを私の母並に(いや、最近の私については母以上に)知っていた。
でも、部屋を引っ越した事で、お店からは少し足が遠のいた。毎日行っていたのが、3日に1度になり、最近では1ヶ月に2度か1度になった。移り気な私は、新しい家の近所に、行きつけのお店が出来たのだった。だから、このカフェの前を通りすぎても、お店の中に入ることが少なくなっていった。
そんな風な時間が過ぎる中、私の携帯にスタッフから電話があった。「お店を辞めようと思うのです」と。「一番きてくれたお客さんだったので、相談をしようと思って」というのだ。その日は、仕事を途中で放り投げ、カフェに行った。久しぶりのカフェだった。そして、深夜2時までその決断にいたる経緯と今後のことを聞いた。
それからだ、私のカフェ通いが再開したのは。在りし日のように、とはいかないまでも、最後の週には3回程度顔を出した。カフェの最終日に私は大阪にいたので、お店に顔を出せなかった。だから、少し前に「ありがとう」と伝えていた。これでこのお店には来ないのだな、と思うとどこか悲しかった。
そんな風に時間が過ぎた。そして、カフェの最終日の次の朝。新幹線の中で私はメールに気がついた。同僚の福田からだ。添付ファイルがついていた。その画像は、カフェの閉店の看板だった。「今までありがとうございました」という感謝の言葉に加え、小さく、「Special Thanks」という文字があった。そして、その後に、私の名前があった。
それを見て、私は不覚にも涙を流しそうになった。でも、努力をして、その涙を笑顔に変えた。何故って、何かが終わるのは決して悲しがる事でも淋しがる事でもないからだ。それは何か新しい事が始まる事なのだ。あのカフェで出会った友人達が、これから何をするのかを、私はとても楽しみにしている。
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